【読ノ】貧困を救えない国 日本
はーい、どうもこんにちは!
新年はみなさんどのようにお過ごしでしょうか?
俺はただただ実家で犬と戯れつつみかん食べながら、ずっと本を読んでいます。
明日にはもう滋賀に戻る予定なので、今日は全力でダラダラする所存です……。
そんな中、ブランクを取り戻すためにはとにかく書きまくることが大切だと思うので、早速ですが、昨日読んだ本の簡単なまとめな感想について記していきたいと思います。
まだ、手探り状態なのでどう進めていっていいかわかりませんが、【読ノ】と題して、読書ノート風に、読んだ本の内容や感想を連ねていければ、というシリーズにしたいです。
では、いきましょう~。
【書名】 貧困を救えない国 日本
【評価】★★★★☆
【概要】
日本の「貧困」の現状と考えられる対策について、立場の違う2人の専門家が対談したものを文字起こししたもの。
まず、「日本の貧困」について、世間の認識と実情がどれくらいズレているのかを指摘した上で、何故、「貧困を放置してはいけないのか」、そして、貧困の原因や今後どういった対策を行って行くべきか、という風に論が展開させれていく。
主な主張としては
・貧困の現実が全然知られていない
・貧困は個々人の問題ではなく、放置すれば社会全体の損失となっていくから、貧困は改善されていかなければならない
・貧困者を助ける受け皿が既にある程度用意されていることがあまり周知されていない
・また、その受け皿が必要となる人の補足力が弱いせいもあり、支援のリーチができていない
といったところ。
【感想とか】
特にこれと言って、貧困というものについて深く興味があったわけではないのだけれど、Twitterでフォロワーさんがオススメとしてツイートしてはって、今後日本はどんどん貧しい国になっていくんだろうなぁ……と漠然と感じてはいるので、気になって読んでみました。
特に、 面白いと思った話題が3つあった。
①「何故貧困を放置してはいけないか」という問いに対し、解の1つとして検証されている「旅をする人類仮説」
②高度経済成長期の頃の幻影が貧困を助長している
③精神疾患も、貧困を生み出す主要な要因になる
というのがそれ。
まず、①旅をする人類仮説について。
「何故貧困を放置してはいけないのか」ということを考えるにあたって、「人類は旅し、荒野を開拓している最中であって、働けなくなっている人々を切り捨てていくと、今後、新しく世界を切り開いたり、支えていく人たちがいずれ不足してしまうので、働けずに貧困に陥っている人を助けていかなくてはいけない」、というもの。
これ、まさにそのとおりだと思っていて、現実、そこかしこから人手不足の声が聞こえてくる現実が既にあるわけで、今は働けない人たちを支援することで、今後、労働力として戻ってくるのなら、みんな幸せだと思う。学生への講義の中で、「何故苦しい中で自分たちも頑張っているのに、頑張れない人たちを助けなけれいけないのか」と思っている子たちも、この話をすると、社会を作り上げていくシュミレーションみたいなのをした上で、貧困を改善して人材を確保していくことに納得してくれることが多いらしい。
ただ、対談中に2人とも認めているとおり、働けない人たちには2タイプあって、怪我や病気で「今はただ働けないだけで今後はまた生産人口に戻れる可能性のある人」と「例えば老人などの、もう生産人口には戻れない人」がいる。
少し頭の回る子たちは当然、後者の人々を救う意味はないのか、という指摘をしてくるらしい。その問に対しては、明確な解を出すことができていないようだった。「自分もその立場になる可能性もあるじゃないか」という反論をしても、今頑張って働いている人たちには響かないんだとか。
これは本当に難しい質問だな、と思った。人道的観点は抜きにして、酷く合理的な観点だけを見ると、限界を迎えつつある社会では、生産性のない人たちを支えていく意味は全くないように思う。
この辺りについては、もう少し議論を掘り下げてほしかったな、と思った。答えなんて出ないのかもしれないけれど。
②高度経済成長期の幻影
特に地方では未だに、「派手な結婚式を挙げて、イホームに住んで、マイカーに乗る」という志向が強いとのこと。
結婚式は貯蓄を切り崩してどうにかできるとしても、家と車は定年まで働くことを計算に入れたローンを組む。このモデルがバブルの頃からずっと変わっていないけれど、このモデルって高度経済成長がそもそも前提に組み立てられていて、このご時世に、いったいどれだけの人がまともに生きていけるのか、と。
でも、未だにそれが理想の生活だとして人々を煽っている層が蔓延っていて、それを理想だとして生きていく人たちがたくさんいる。対談の中では、もう、それを改めるべきなのでは?という話が出ていた。何故わざわざ身の丈に合わない生活をして、貧困に陥るリスクを取りに行くのか、と。
個人的に、この話は完全に同意できた。家買うのも車買うのも嫌だな、と思ってる。いくら金利安いって言っても、借金と変わりはないわけで、その利息や維持費含めて、返済まで含めて支払いに追われる日々なんて絶対ゴメンだ。そんなのは本当の金持ちだけがやればいいのに、と思う。
少し話は逸れるけれど、これは社会基盤全体にも当てはまることだと感じている。地方行政に関わる身で、こんな思想持ってるのは問題かもしれないけれど地方創生なんか、大々的にやってる場合なんか?と思うことがしばしばある。
今、日本はものすごい成長を続けていて、人口も増えています!という状態なのであれば、都市部だけでは人はまかないきれなくなるので、その周辺部分のインフラを発展させて、街を広くしていく意味はある。
けど、もう、そんな風に成長していく時代が二度と来ないかもしれない現状がある中で、地方の主要都市以外に力を入れことに何の意味があるのか、正直理解しきれない部分がある。
昔の幻影は捨てて、コンパクトな生き方をしていくべきなんじゃないのかなぁ、と常日頃から感じている……ここまでくると、本の感想とは関係ないので、またいつか違う機会に考えをまとめてみたい。
③精神疾患が貧困を生み出す主要な要因
これは意外だった。特に、離婚した女性が貧困に陥りやすい要因に、精神疾患を患っているケースが多いということ。
DVを受けていた女性が離婚したとして、「開放された!」ってなるのではなく、脳に障害を負ってしまっているケースが多く、働けない状態になっていることが多いらしい。
まだまだ日本にはこういった人たちを支援する体制が整っていないとする一方で、それでもある程度の水準のものは揃っているのに、精神的な傷(≒脳に障害を負ってしまった人)というのは、普通の人なら難なくできること(例えば、何かしらの手続きとか)を頑張ってもできなくなっている場合が多くて、支援を受けたりするスタート地点にも立てずにどんどん落ちていってしまうのだとか。
そして、そんな人たちを補足して拾い上げてあげるような仕組みが確立されていない、とも。
①にも絡んで来る話だけれど、こういった人たちを助けてあげられて、いつかまた社会復帰できるようにしてあげられたら、社会全体がいい循環で回っていくように思う。
あと、この3つとは別だけど、支援していく上での社会保障費の財源をどうするか、って話があったんだけど、消費税等含めて税金をもっと上げていくべき、という話が出ていた。
これに対しては強い疑問を持った。
フランスに比べて日本は税金が少ない。だから社会保障費も足りない。って論が展開されているけれど、例えば平均所得を較べたらどうなるのかな、と。
例えば、フランス平均所得が日本の倍の所得があるとしたら、税金いっぱい払ってても、残る可処分所得は日本より多いことになる。そこを比較しないで、もっと税金取れ、は暴論な気がする。
消費税も上げるべきだとしても、実際、消費税あげる度に消費の落ち込みがあることは歴史を見れば明らかところ。そぅいった観点含めて、総合的に見た影響考慮してみたらどうかるのかなぁ、と。
この辺については俺は何の知識も持ち合わせてないけれど、あくまで、例えば、の話。もうちょっと数字出して、説得力を持たせてほしかったな、と思うので、また時間があれば調べてみたいな、と思う。
長々と書いたけれど、全体的に見て良書でした。いろんなことを浅くてもいいから知っていきたいと考えているので、こういった本もどんどん読んでいく所存です。
とは言いつつ、なんか初っ端から固すぎる話でした(笑)次回はもっと軽い話出来ればな~と思います。
どうせ書くからにはおもしろいもの書きたいので、書くネタはもちろんのこと、ブログの書き方自体についてもいろいろ勉強してきます!
というわけでこの辺で終わりたいと思います~わかりにくい文章でしたが、ここまで読んでくれた方いらっしゃいましたら、本当に嬉しいです。
よろしくどうぞ!